理解
理解者
私ニトッテ、ソレハ嘘デシカナイ。
青々しい、雲ひとつない晴れ空。そんな中で公園にふたり。仲むつまじいカップルがいた。
カップルは少し錆びれかけた空色のベンチに腰をかけている。平日の、しかもまだ昼前なので、人の姿は見当たらない。
それをいいことにひとりの男は柔らかな笑みを浮かべながらも、女の肩を抱き、無遠慮に触れてくる。
女はそれに何を言うわけでもなく、ただ笑っていた。
「……此処の公園の花々は、みんな綺麗に咲くのね」
目を細め、ふわりと微笑む。女の視線の先には花壇があり、色とりどりの花が並んでいる。爽やかな風が彼女の黒髪を攫っていった。
「綺麗なものは好きよ」
口元に手を当て、ふふっと優しく笑うその姿はとても優雅だ。
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