理解
「………ミク、お前はアタシの存在がバレるたびに罵られ、時には暴力だって振るわれた」
『…っ』
ミノは光のない夜空を仰ぎ、遠い目をする。
「勇気を出してアタシの存在を口にした途端、信じていた奴らはお前から直ぐ離れていった」
彼女は自身の肩を両手で隙間を埋めるように抱く。それはまるで、震えて必死にその言葉を受け止めているミクを宥めるように。
「……その逆もだ。アタシが面に出て、お前の存在に気付かれた時、アタシは罵られようが暴力振るわれようが誰かが離れていこうが、傷ついたりはしなかった」
だが、と言葉をそこで区切る。
「…………お前は違うだろう?」
『…っ!』
ミクの動揺が伝わり、ミノは肩を抱く腕に力を籠めた。