理解
ミノは子どもに言い聞かせるような優しい口調で発した。
「……これ以上、傷ついたり傷つけたりしたくはないだろう?」
ミノもちゃんと分かっていたのだ。彼女がヒトを殺すたびに、苦しみ傷ついていたことに。
『…わかった……。私、孤独になるわ』
ミクの瞳には、決意の色が込められていた。
『でもミノ、約束して…?』
目を伏せ、胸の前で両手を重ねる。ミノはまるで彼女の白い手に自身の手を重ね合わせるかのように両手を胸にあてた。
『……ずっと、ずっと私の傍にいて』
「…」
『私を…ひとりにしないで……』
その声は、とても弱々しく、頼りない。ミノは目を閉じる。
「お前をひとりになんてしない。アタシは死ぬまで、いや死んでもミクの傍にいる」