強気なあたしと甘々彼氏
「……」
ステージに和樹が上がったことで、
緊張で体育館が一斉にピリピリした雰囲気を放ちはじめた。
ゴクッ…
生唾を飲み込む。
「俺は…ずっとみんなに敦美が彼女だって言え
なくて、正直ツラかった」
「きゃぁああっ!!」
「いゃあぁっ…!!」
和樹の口からあたしが彼女だってことが言われた瞬間女の子達の悲鳴に近い叫び声。
「でもー…」
それでも続ける和樹。
「でもっ、やっぱり言えなくても…堂々とキス
できなくても敦美が好きだ」
キュッ……
胸が締め付けられる。
喉になにかが詰まったみたいに苦しくなった。
ポタ……
静かにあたしの頬を伝う涙。