強気なあたしと甘々彼氏
日当たりの悪い旧校舎の壁は、冷たかった。
「ごめ……」
謝った理由はあたしにもわからなかった。
でも、謝らなきゃって無意識に叫んでた。
「嫌。 許さない…てゅうか、アンタ何のこと
言われてるかもわかってないんでしょ?」
「う、うん……」
声が震える。
はっきりは、わかんないけど、
まほたちが言いそうなことって言ったら、
和樹のことしか……
「仕方ないなぁ…教えてあげるょお…」
語尾を伸ばした言い方が余計にあたしを怯えさせる。
「和樹くん……」
ピクッー…
肩に力が入る。
「アンタの彼氏だよねー…?」
コクン…
あまりの恐怖にあたしは、
小さく頷くしかできなかった。
「キャハハ!!」
あたしが、頷いた途端に一斉に笑いだすまほ達。
「ねえ、ちょっと顔あげてみてよ」
言われた通りに顔をあげる。
「あぁ~ホントに間抜けな顔
和樹くんはアンタのどこが良いんだろ…?
ねぇ、アンタもそう思わない?」
ガッ
前髪を引っ張られて頭を壁にぶつけた。