love complex～女は胸がすべてじゃない！！～

「イタ…」

お尻をさすりながら、

立ち上がろうとしたら、

長くて綺麗な手が私を引っ張ってくれた。

・・・

「すみませ・・・」

「千波ちゃん？」

「…敦紀さん」

・・・

こんなところでバッタリ会うとは…

「何かあったの？

凄い汗」

私にハンカチを差し出した敦紀さん。

「え・・あ・・ちょっと」

ハンカチを受け取り、

額の汗を拭った。

・・・

「あの男」


「・・・え？」

敦紀さんが指差した方を見ると、

私に顔を見られたらまずいのか、

男は路地に消えてしまった・・・

「追いかけられてた？」

「・・・たぶん」

そう言って苦笑いするしかなかった。