Message 〜キミに伝えたいコト〜

縮まる距離

もうすぐ6月を迎える。
中庭の木々たちは、若葉色から深みを増したようだ。


私の到着を待ってくれていたのか、ナイスタイミングで、紙飛行機の到来。


【今から行くね。】

紙飛行機をひろげると、男の子にしては綺麗な文字が書かれていて、
私は迷わず5階のある部屋へと、視線を移し、LINEメールを送信。







検査室の廊下での出来事から、毎日LINEメールでのやりとりをしている私たち。

「何聴いてんの?」


私のイヤホンを片方外して、自分の左耳に充てる翔くん。


『ギプス外れたんだね。』



「ラクになったよ。
来週からリハビリもできるしね。」




『じゃあ、退院する日も近いね…』

なんだよ、淋しいのか?
なんて言いながら私の頭をクシャクシャっと撫でてくれる。
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