二手合わせ
っ、どうしようどうしよう。
私は林の中に逃げ込む。
落ちている葉っぱと、少し湿った地面が走りにくい。
「おい待て!」
「っ、そんな」
そんな無茶なこと、言わないでよ…!
振り返らず、走る。
立ち止まったら、殺される。
殺すつもりがなくても、刀持った人に近づくなんて嫌だ。
でも、運動部にも入ってなかった私の体力が底をつくのは早かった。
「はっ、は、…っ!」
木を障害物にして逃げたおかげか、少し撒けたよう。
背中を木につけて目を閉じる。
なんでこんなことになったんだろう。
も、やだ。
帰りたい。帰りたいよ。
ガサリ、音がして私はハッとして目を開ける。
私の顔の横に在るのが人の腕だと理解する前に、もう方横に銀色の刃が刺さる。
「……怪しい格好、だな」
「っ、」
目の前に立ちはだかる、人。