二手合わせ
「……もう一度訊く、テメェどっから来たんだ」
「………」
「言えねぇようなことなのか?」
疚しいことがあるから言えないわけではなく、どのように伝えたら良いのか、伝えてもいいことなのか。
全部分からないから黙っておいた。
すると、『副長』は『新八』に言った。
「閉じ込めておけ、夜には部屋を決める。それまでは…、わりぃが新八の部屋に」
「うす」
『新八』は来た時同様、私の腕を掴んで歩き出す。―――が、
「っ、ちょい待て」
「副長?」
「女、腕につけてる奴は何だ」
『副長』の視線をたどると、私の手首についている腕時計を見ていた。
何だ、って言われても…
「時計…ですけど」
何故そんなことを訊くんだろう、と疑問に思いながら答えると、『副長』も『新八』も目を丸くしていた。
え?……何?
驚くようなことじゃないよね。