二手合わせ
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(side:マキ)
「ごめんなさいっ…!!」
私は目の前の二人に頭を下げる。
それこそ額を地面に擦り付ける勢いで。
「……すまないが、今は帰ってくれ」
そう言ったのは、恵梨のお父さん。
私が平身低頭しているのは恵梨の両親に対してだ。
恵梨のお母さんが涙を目に浮かべて喋り出す。
「…頭を上げて、マキちゃん」
だけども私は頭を上げない。
上げたって…合わす顔がないもの。
「ごめんなさい!!本当に…!」
「マキちゃんのせいじゃないのは分かってるの…分かってるのよ、本当に」
だけどね、と恵梨のお母さんは続ける。
「どうしても、今日。マキちゃんが恵梨を誘わなかったら、行くのがあの店じゃなかったら……そう思わずにはいられないの」
「っ、ごめんなさい」
「マキちゃんは悪くないの。それは分かってるの……だけど認められないの」
お願いだから、今は帰ってちょうだい。
そう言われて、私は俯いたまま恵梨の家を出た。
恵梨、なんで居なくなったんだろう。
悲しい、怖い、理解出来ない。
全部混ざって、吐きそうで、泣きたくなる。