二手合わせ
無事?
生きてる?
今、何処に居るの?
「恵梨、ごめんっ」
道端にも関わらず、私は涙を溢す。
私が今日、誘わなかったら、恵梨は無事だったのに、居なくならなかったのに。
もう夜が更けている。
私の両親も心配してるだろう。
…帰らなきゃ。
警察の人が捜してくれるって言ってた。
でもあんな、あんな消えかたした恵梨が、普通に見つかるなんて思ってない。
ケータイにも何度も、何度もかけて、その度に、落ち込んで
あと一回かけたら繋がるかも。
そう思ってまたかけた。
だけど
「おかけになった電話は、現在電源を切っているか、電波の届かない場所に――――…」
聞こえたのは無機質な声だけで。
帰路につきながら、星を見ようとしたけど、一つとして輝いてなかった。