二手合わせ
だけど、1日経って、2日経っても、一向に此処から出してくれる気配はない。
「いい加減、食べろ」
昼御飯を持ってきてくれた永倉さんに視線も向けず、ただ首を横に振った。
食べたくなかった。
この時代の、この場所の、何も、受け入れたくなかった。
「もう2日、何も食べてないだろ」
「水は、頂いてます…」
「だからって…」
「いいじゃ、ないですか」
私はスッと永倉さんと目をあわせて、言う。
「…弱っていくだけです。あなた方にとっては、都合、いいじゃないですか…」
「………。とりあえず、食え」
「…いらない、です」
頑なに断る私に、永倉さんは無言でお膳を置いて出ていった。
私は独りになってもしばらくは俯いていた。
けれどもチラチラと白い湯気の立つお膳を見た。
…申し訳、ない…のかな。