二手合わせ
「なんでそう思ったん?」
山崎さんの声が少し固くなっていた。
不審者に対する待遇じゃない。
そう思ったのは、永倉さんが御飯を運んだり、一番は拷問されないことから。
この時代、拷問は当たり前。
なにか情報を吐かせるのには拷問が手っ取り早い。
部屋から出されない、とはいえ、縛られてはいない。
私に対する扱いは、不審者に対するそれではない。
それに
「私の目が見えなくなって、普通なら、不審者が逃げなくなって万々歳だってなるはずじゃないですか…。なのに医者に連れていくなんて、私の異変が貴方たちにとって不都合だから…」
「成る程なぁ」
「貴方たちは、貴方たちは……合理的主義と言ってしまえばそれまでよ。でも、私が何したの…」
ダメ、感情が爆発しそう。