二手合わせ
3、解普
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(side:山崎)
面倒い子やなぁ、と思っとった。
明らか不審者みたいなん格好しとって、時計なんて高級なモンを何でもないように身に付けとる。
はよう吐くもん吐いて、解放か、はたまた殺すか、さっさとしたかったんやけど…
一向に情報吐かん。
面倒いなぁ。
そう思っとった。
「…じゃあ着替えよか」
「……」
なんやよぅ分からん白い袖がない薄い服を、あの奇っ怪な着物の下に着とったみたいで、そこまでしか脱げんらしい。
本来なら着物の下は何も着いへんのやけど、俺が居るししゃあないか。
手際よく着付けていく。
ふと、恵梨ちゃんの顔見たら、涙を流したまま、唇を噛み締めとった。
…普通の女の子なんやなあ。
確かにこの子は何もしとらん。
俺らに都合悪ないよう、動いとるだけや。
この子の言う通りや。
賢い子やな。