二手合わせ
副長は俺を睨み付けるように見てくる。
……あー、多分「どういうワケなのか話せ」っちゅう意味なんやろうけど…怖いっちゅうねん。
「良順さんが言うにはな、心労が祟った結果らしいんよ。俺らを、新撰組を、拒絶するあまりにああいう事になったんやって」
「……そうか」
「俺なんか『大っ嫌い』言われたんやで?そうとう拒まれとる。それに、恵梨ちゃんにとって信頼出来る人が必要らしいんやけど…」
「そりゃあ難しいな」
やっぱり副長もそう思うか。
「俺と副長は消去やな。んでもって、今んとこ恵梨ちゃんのことを知っとんのは只一人」
「新八か」
副長はそう言ったあと、自らの顎に手を当てて考え込む。