二手合わせ
数日後。
永倉さん曰く、昨日から女中(もとい保護対象)が来たとのこと。
ドタドタと、いつもより慌ただしい足音がするのはそのせいだろうか。
足音が近づいてくるのは気のせいだろうか。
「おい!ちょっと待て!その部屋は………」
永倉さんの焦った声が近くから聞こえてくる。
え。何があったの。
「え、だってここですよね、副長さんの部屋」
ここにきてからは聞いてなかった、女の人の声。
…ん?『副長さんの部屋?』。
あれ、違うよね。副長さんの部屋大分遠いんだけどな。
「失礼します」
「だからその部屋は違うと言って…」
永倉さんが何かを言っている途中でガラッという音がした。
「今日からお世話になる槇野陽子(まきのようこ)です……あれ、女の子…?」
「……え」
どうやら初日からバレてしまったようです。