涙の温度
差し伸べられた掌を握ると深雪は笑った。
「黒崎深雪、よろしく。」
「真崎魁です、よろしくね。」
泣きそうになりながら、自己紹介をする。
深雪が優しく笑ってあたしも精一杯の笑顔を向けた。
あたしをどん底の闇から救ってくれた深雪は、
笑えなかった笑顔と
知らなかった涙の暖かさを
教えてくれた。
その返しきれない感謝を《時間》として、あなたに返したい。
生まれ変わったあたしは、青空にそう誓った。
END---☆