左利きの君へ
「じゃー帰ろっか?」
帰り支度を始める私たち。
「一緒に帰ろっ?」
サクが言ってきた。
「私、このファイル職員室に
持ってかなきゃいけないから、
靴箱で待ってて?」
私は急いで職員室まで
ファイルを持っていった。
「お!早かったなー!
ご苦労さん♪」
先生はお礼に飴を2つくれた。
て、私は子ども扱いされてます?
ま、でもいいや♪
飴好きだしっ!
それから、靴箱へ向かう。
自然と足が速く動く。
話し声が聞こえてきた。
女の子と
サクが話してる。
楽しそうに…
なんか、
チクッて心が痛かった。
「お!和香♪」
サクは、私に気づいて
笑顔で手を振ってきた。
私も手を振り返す。
苦笑いを浮かべながら。
「じゃー、私はこれで。
じゃーねっ!桜くん!」
サクと話していた女の子が
帰って行った。
「じゃー、帰ろっか!」
サクは、歩き出した。
私も後ろをついて行く。
なんとなく、隣を歩きたくなかった。