左利きの君へ
「愛美…」
今はお弁当中。
サクは"貫太"という友達が
できたらしく…
最近はその人とご飯を食べている
らしい。
だから、今は愛美と2人きり。
「どうした?」
愛美が、首を傾げてこっちを見る。
「私、サクを甘やかしてる気がする」
私がため息交じりに言うと、
「ぷっ!何それ!」
と、笑われた。
「もー!真面目に聞いてよ!」
まだ、小刻みに方を揺らしながら
笑う愛美を見てムッとした。
「あのね?なんかさ、
サクの目ってたまにすんごい
寂しそうなの…」
そう。サクはふとした瞬間、
凄く冷たい目をする。
遠い目っていうか…
今までに見た事がない。
高校2年生がするような
目じゃない。
私たちには分からない
すごい大きいものを抱えているのでは
ないかって思うくらい。