左利きの君へ


お昼休み

私は今お弁当を食べている。
愛美と。
……雨宮くんと。

「うわーっ!屋上めっちゃ
気持ち良いねーっ」
雨宮くんが伸びをしながら言う。

「でしょ?ここ、あんまり人
が来ないから、静かで良いんだよ♪」
愛美が笑顔で答えた。

私は自分で作ったお弁当を
黙々と食べていた。

「これ、和香が作ったの?」
雨宮くんが聞いてくる。

てか、呼び捨てかよ。オイ。

「うん。そうだよ?私、お母さん
病気でさ。私が5才の時に…ね?」
私は、苦笑いで答える。

「あ。なんか…ごめん…」

ホラホラ!思い空気になっちゃった!
どーしよう。

「あ!でもね?和香凄く料理
上手なんだよ?卵焼きとか絶品!」
愛美がすかさずフォロー!

ナイス愛美っ!
私は愛美に感謝した。

「え?そうなの?食べたいなー」
雨宮くんが、私の卵焼きを
まじまじと見つめてくる。

「た、食べる?」

雨宮くんは、え?いいの?
と言って私の卵焼きに
お箸を刺した。

「うわっ!ほんとだー♪凄く美味い!」 ふぅー。良かった。

何だかんだで
いつもより賑やかだった
休み時間だった。
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