捕まっちゃって、奪われて。



……んんっ?

なんだと?




「え、えーっと」


『誘拐報告ですか。大変申し訳ないですけれども、身代金はお渡し致しませんよ』


「…は、はぁ…?」


『元々、その子は欠陥品でしてね。東雲家の長女には相応しくないんです。
だから貰い手を探していたのだけれど…、

丁度いいわ。


その子、あげる』


「――…!?」



突然押し寄せた言葉と感情に、わけがわからなくなる。



貰い手を探していた?

欠陥品? 相応しくない?



なに、子供を物みたいに扱ってんだよ?




「……なよ…」


『え? なぁに、聞こえませんけれど』


「巫山戯んなって言ってんだよ!!」


『…っ! な、なんなの…』


「巫山戯んなって言ってんだよ! 欠陥品? 相応しくない!?
お前っ……子供のこと、なんだと思ってんだよ!!」


『……』


「なんとか言えよ! おい!」




< 17 / 23 >

この作品をシェア

pagetop