捕まっちゃって、奪われて。
……んんっ?
なんだと?
「え、えーっと」
『誘拐報告ですか。大変申し訳ないですけれども、身代金はお渡し致しませんよ』
「…は、はぁ…?」
『元々、その子は欠陥品でしてね。東雲家の長女には相応しくないんです。
だから貰い手を探していたのだけれど…、
丁度いいわ。
その子、あげる』
「――…!?」
突然押し寄せた言葉と感情に、わけがわからなくなる。
貰い手を探していた?
欠陥品? 相応しくない?
なに、子供を物みたいに扱ってんだよ?
「……なよ…」
『え? なぁに、聞こえませんけれど』
「巫山戯んなって言ってんだよ!!」
『…っ! な、なんなの…』
「巫山戯んなって言ってんだよ! 欠陥品? 相応しくない!?
お前っ……子供のこと、なんだと思ってんだよ!!」
『……』
「なんとか言えよ! おい!」