捕まっちゃって、奪われて。



公共の場でこんなに叫んだのはいつぶりだろう。いや、初めてかもしれない。


そんな、なんで湧き出てきたかも分からない怒りは、




…ツー…ツー…ツー…


人間の声が、機械音に変わったことでまた噴き出てきた。



「…! くそっ!」


ガシャン! と乱暴に受話器を置き、勢いよく電話BOXの中から飛び出る。そして、



「東雲柚鈴!」


「……っ!」



突然車のドアが開いたことに驚いたのか、それともさっきの俺とは違う雰囲気の俺に驚いたのか。

あるいはどっちもなのか。東雲柚鈴は目を丸くして、呆然としている。



「な…なんですか」


「お前の親、どういう…っ」


「……っ」



叫び始めた途端、ぐっと下唇を噛み、

首に巻いていたマフラーを解いた。



「……」



真っ白で細い、華奢な首。

それよりも、俺が驚いたのは、




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