捕まっちゃって、奪われて。
歳離れの同居人
[Side:Takuma]
「逞さん、朝ですよ」
「……」
「逞さん、朝です」
「……」
「逞さん、朝」
「……」
「逞さん」
「……」
「逞さんって」
「……ん〜…」
「朝ですよ」
カーテンの隙間から白い光が落ちている。視界の端にある目覚まし時計は、とっくに9時を過ぎていた。
「……休みじゃん…」
ぐでぐでと布団から出ようとしない俺を見下ろして、
「休みでも、起きなきゃ生活のリズムが崩れますよ」
「……どっかのオカンみたいな…」
「失礼な、まだ高校生です」