夜空にランプ
この醜い気持ちはもうどこにもやり場などなく、芽衣子には悟られないよう、平然を装う振りに一生懸命だった。
それにも限界があり、装い切れなかったんだろうか。
ある帰り際で、下駄箱で体育館から有紗の声が聞こえたのに気づき、そっちに振り向くと、パチッと有紗と目が合った。
すると、華やかさを纏う有紗からは想像つかない、鋭く冷たい眼差しをこっちに向けていた。
普通なら驚くはずが、私も同じくらい、いやそれ以上に冷酷かつ、痛めつけるように刺す眼差しを返していた。