夜空にランプ
冷えた手を息で暖めながら、さっさと歩いた。
「…うん」
後ろから芽衣子の細く小さな声が聞こえた。
言いたいことがあるのに、それが上手く言葉にならなくて苛立つ。
それだけじゃない。
やたらと澄み渡った空は、本来なら心を洗ってくれるはずだけど、今の私には逆効果。
こんがらがった気持ちは、そんな澄んだ空だけではまっすぐにならない。
むしろ気分を悪くする対象物だ。
できることなら、コンテストに出したばっかりの写真を今すぐ戻し、ぐしゃぐしゃにしたいとさえ思う。