夜空にランプ

知らず知らずのうちに、有紗を傷つけていたのは自分の方ではないだろうか。

大丈夫だと、例え険悪な雰囲気になっても、心のどっかでは大丈夫だと思っていた。



そんな絶対的な安心はないのに。




分け隔てなく、常に明るいからって、傷を付けられて平気な訳がない。


今、芽衣子にも同じようなことをしている。



最低なのは自分じゃないか。







自分を責める度、家に着く道のりがだんだん重くなっていた。

ふと、道を変え、足を進めた先は、雑貨屋『Lamp』だった。

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