夜空にランプ


「ふふふ、いいのよ。女の子なんだから体冷やしちゃだめよ、さ、こちらにどうぞ」


突然の言葉についどもってしまった。

店主さんに言われるがまま、雑貨がディスプレイされてある場所とは離れた奥へと案内された。



アーチ型の下がり壁の下を通って進むと、そこにはたった二席だけの小さなカフェスペースがあった。



「雑貨屋さんの中に、喫茶店?」


「そ、傍らで喫茶店もやっているの。ちょこっと世間話のつもりが長くなっちゃったときとか、一休みしたいときとか、利用してもらおうと思ってね」



そう言うと、店主さんはほんの少し丸くなった背中をさすりながら、メニュー表を手渡した。



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