夜空にランプ
カバーの端に小さな羽根ペンが刺繍されてあった。
「よくぞ気づきましたー、そう。【小さな物語】の作品ってことでね、私の作品には全部どこかしらに残してるのよ」
先ほどから熱心に作業していたのは、このブックカバーを作っていたからのようだった。
リネン素材のそのカバーは、下側だけ薄いピンクの布が縫い合わせられ、私達の年代から大人まで幅広い年代で使えそうな、かわいいけれどとてもシンプルなものだった。
その中で羽根ペンはおしゃれなワンポイントとなっている。
「航基もね自分のアーティスト名があるのよ。さ、アトリエに案内するから」