夜空にランプ
「これ、全部塚田君が?」
「そうだけど」
「まじ…?」
驚いた。
そして、美術の授業で作れるような範囲を少しでも想像していたことを、心の底から反省した。
彼が製作したばかりだという作品は、ミニチュアサイズの家や、イス。
そして、写真立てや小箱。
そのどれもは木で出来ていて、緻密でどこか趣きのあるアンティーク風。
とても男子高校生が作ったなんて考えられないほどである。
つい食い入るように作品を眺めていると、隣で彼は困ったように頭を掻いていた。
「あんま見られると、やっぱ恥ずかしいな」
独り言のように呟くと、そそくさと作業に戻っていった。