夜空にランプ
塚田君が作業する、学校の美術室にあるような木製の長机の端に、布の切れ端が山積みになっているのに気づいた。
木ばかり溢れていると思っていたら、実はそうではないらしい。
その周辺を見ていると、糸巻きや毛糸、レースなど裁縫するのに使う物が整理されて置かれている。
「こっちは、リンコさんの席?」
「ああ。ばあちゃんは布小物と編み物で、俺は木工小物作ってる」
「なるほど。あ、じゃあその、あるんだよね?塚田君の作家名」
リンコさんの席、塚田君が作業する横の椅子に、ゆっくり腰かけながら聞いた。
わくわくしながら返事を待つ。