夜空にランプ
鼻筋の通った綺麗な横顔。
おでこを出すとさらに中性的度が増した気がする。
真正面から見るのはどうも照れくさいけど、横から見るくらいなら変に緊張しなさそうで、私は作業する彼を静かに見ながら返事を待った。
「小さな旅人」
少しの間の後、手を止め、彼はぽつりとそう言って言葉を続けた。
「小さな物語の中の主人公の小さな旅人」
「それって、もしかしてリンコさんの作家名と繋がってるってこと?」
「小さな旅人の小さな物語とも言えるんだけどね。うーん…、繋がってなくもないかな。単純に世界を旅したいって気持ちもあるし」