夜空にランプ

形になってきた作品を持ち上げ、生き生きと目を輝かせる彼は、本当に楽しそうで嬉しそうで、今の私には到底できない表情なことに気づいてしまった。


あの、気だるそうにしていた塚田君はここにはいない。



「旅、ね」


「結構まじなんだ」



そう言って、ちらっと私と視線を合わせた。




一生懸命な彼の姿を見ている度、話しを聞く度、眩しさにはっとする。


そんな彼の姿を知らなくて当然だった。

気になってはいたけれど。

本当の姿を隠していることに、どこか共感していた。



でもそれは私の勝手な思い込みだ。






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