夜空にランプ
まだ確かな根拠は見つからないけど、ここにいるだけで、嫌な気持ちは忘れてしまうのだ。
どうしてなんだろう。
もっとLampのことを、塚田君のことを、知っていきたいと強く思った。
丸めていた背中をぐっと持ち上げ、背伸びをしながら彼は口を開いた。
「そうだ熊谷、明日って空いてる?」
「え?…うん。空いてるけどどうして?」
私の問いには答えず、代わりにいつものにやっと意味ありげに、口角だけを上げる笑みを浮かべる。
きょとんとしながら彼の手元を見ると、ミニチュアサイズのイーゼルが完成されていた。