夜空にランプ

パカっと、ちゃんと中も開くことができ、アクセサリーやヘアピンを入れるのに丁度いいくらいの大きさだった。



どんな人の手に渡るのだろうか。

これを見たら、どんな顔をするだろうか。


(お客さんが喜んでくれたら、きっと、塚田君もすごい嬉しいんだろうなぁ…)



最初にお店で会った時の塚田君のことをふと思い出していた。




学校では決して見ることのできない、快活で爽やかな姿。


言い換えると、私だけが知る彼の姿だ。




それは自分の中で特別なものに思えて、他の人に知られてしまえば、特別なものではなくなってしまうことを意味する。



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