夜空にランプ
ナポリタンはメニューにはなかったものだけれど、程よいトマトケチャップの酸味は優しくどこか懐かしかくて、小さい頃によくおばあちゃんが作ってくれたことを思い出した。
メニューにないことがもったいないと思った。
クリスマスも近いこともあり、引っ切り無しにお客さんが来店していた。
交代で塚田君とリンコさんは昼食時間を取っていたけど、ゆっくりしている時間はなかった。
自分も何かもっと手伝えればと思うものの、値札付けにあれだけ苦戦しているのだから、余計足手まといになってしまうだろう。
頼まれた作業を全部終えた私は、ラッピング袋を取りにアトリエに来た塚田君に帰ること告げ、お店を出てきた。