夜空にランプ
「もー、だから変顔は禁止!そうだ、ちょっとさ、走ってみてよ」
「またむちゃぶりー」
「走れば暖まるから、お願いしやす千鶴さん」
「へいへーい」
颯爽とカメラを構え、位置を決める。
こういう時、芽衣子は途端に張り切りだす。
撮られるのは照れくさいけど嫌な気はしない。
むしろ楽しい。
ふわっと柔らかい笑顔の芽衣子。
でも写真を撮るときの姿勢や顔は、真剣そのものだった。
リクエスト通り、いざ走り出そうとしたとき、ここで芽衣子がまた注文を付け加えた。