夜空にランプ
いつものように、時々会話しながら走っている時にアクシデントは起きた。
今後の私達の行方を左右するような、残酷な闇の時間を突きつける引き金のような…。
「今月さ、撮影会あるよね」
「うん、展望台。久しぶりの遠出楽しみだね」
タイミングが悪かったのか、そういう運命だったのか。
穏やかな日常は早くも終わりに近づいた。
ドカッ!
「痛っ」
敵側に渡ったボールはサッカーゴールではなく、芽衣子の足に命中してしまった。
その拍子で尻餅をつき、顔を歪めてうずくまった。
「芽衣子!大丈夫?」
「いてて、びっくりした…」
「右足?どう、立てる?」
「ねー、先生呼ぼうよ」
「大丈夫?荒井さん」
体をなかなか起こせずにいる芽衣子の姿に動揺し始め、その場にいたクラスの女子も何人か駆け寄ってきた。