夜空にランプ
「ごめんねー、本当わざとじゃないからさ」
「亜樹は悪くないでしょ、鈍いからじゃん?ヒツジとクマが」
顔も見ていないし、そんな近くにもいなかったはずだけど、五十嵐さん達の声は私の耳にはっきり届いていた。
きっと、その横に有紗もいたはずだ。
有紗は今どんな顔で私達のこと見ているのだろうか。
私はそっちを振り向くことはできなかった。
その後授業は半分抜け、そのまま芽衣子に付き添い保健室にいた。
芽衣子の足の具合は打撲らしいが、思ったほど悪くはなく、自然治癒で済むようだった。
それでも芽衣子の足の脛を見ると赤く腫れ上がり、とても痛々しかった。