夜空にランプ
三日月の扉
お馴染みのランタンの灯りは見ているだけで、心も落ち着いていく気がした。
しばらくして、突然ドアが開いた。
「こぐまちゃん!」
ひょっこり顔だけ覗かせたのは塚田君だった。
「いらっしゃいませ、どうぞ」
屈託のない笑顔でそう言うと、手を開いて紳士のように中へと促した。
少しとまどいながら薄暗い店内へ進むと、あちこちで小さな灯りが、それぞれ揺らめきながら辺りを照らしていることに気づく。
消灯した店内を見て感じた雰囲気とは違う、それはぐっと大人っぽい幻想的な世界だった。
おぼろげな光を灯す、レース飾りがついたアンティークのランプや、雑貨を照らすスタンドライト。