夜空にランプ
暗闇に目が慣れてくると、立体感を持って浮かび上がる隠れていた雑貨達。
カラフルなカップ一つ一つだって、その色さえ深みが増して見える。
椅子に備われている背あてクッションとシートクッションも、いつの間にか違うデザインに変わっていることに気づく。
赤を基調としたマドラスチェックは、暖炉のように暖かく思う。
思わずクッションをぎゅっと抱きしめていた。
ほんわか花の香りがした。
~♪
ドアベルが鳴ってはっとした。
「さっきのお客さん帰られたから、こぐまちゃん、本当の貸切だ」
塚田君はお得意の口角だけにっと上げる笑みを見せる。