夜空にランプ
慌てて涙を拭うと、リンコさんがやってきて、テーブルにカップを置いた。
「ランプ限定のロイヤルミルクティー。サービスよ、どうぞ」
「ありがとうございます」
ランタンのイラストとLampのロゴが入った、白いカップを両手で包むように支え持つ。
甘すぎず、ミルクとの上品な調和は、確かにこの夜に相応しかった。
でも、どんなに穏やかな空気の中にいても、重苦しい感覚はなかなか抜けなかった。
ゆっくりお菓子を食べていると、再び塚田君がやってきて、隣の席に座った。
ノートを広げ、頬杖をつきながらペンを動かす。
アトリエにいる時と同じ顔で。
作品の図案でも書いているのだろうか。
色んな顔を持つ彼だけど、やっぱり作家としての姿は特別な気がした。