夜空にランプ
何をしているのか気になるところだけど、作業中は声かけにくい、それにさっき冷たい態度をしてしまった手前、黙っていることしかできなかった。
「こぐま」
「え?」
しばらくしてミルクティーを飲み干すのと同時くらいに、ふいに塚田君はくぐもる声を発した。
にらむでもないが、どきっとさせる切れ長の瞳で、ちらっとこっちを向き、視線が合うとすぐさま手元に視線を戻した。
「今日、学校早退した?」
「っ…なんで、知ってるの?」
「昼から学校行ったから」
「なるほど。あ、先生とか何か言ってた?」
「さあ。りゅうちゃんは心配してた」
「そっか…」
「その様子じゃ、具合悪くて早退した感じじゃなさそうだな」
「うっ……」
大当たりだ。
その後の言葉はすぐ出てこなかった。