夜空にランプ
「初めて、サボっちゃった…」
「ふりょー」
「ちょ、塚田君ほどじゃないし」
鼻で笑う彼をムキになってにらんだ。
でも彼は余裕の顔をしながら、手元は休めなかった。
「塚田君はさ、作品作りとかでサボってるんだよね」
「んー、そうなるかな。こっちのほうが、楽しいしね」
夢中になれる何かがあって、一生懸命な彼はとても眩しい。
その眩しさと充実さに、つまらない嫉妬を抱き、苛立った。
ついさっき悔いたくせに、鋭い棘のある言葉が止まらない。
「じゃあさ、知らないよね。うちのクラスにいじめがあるってこと」
その言葉でサボった意味を悟ったのか、作業をやめてこちらを向いた顔は、少しばかり戸惑いの色が見えた。