夜空にランプ
いつもと同じ道なのに、やけに暗く思った。
(そっか、今日は新月だから余計暗いのかな…)
もちろんそれだけじゃないことはわかっていた。
けれど、テーブルに置かれてあったキャンドルの火の揺らめきと、塚田君の発した言葉はほんの少しだけ、目の前を明かるくしてくれたことは確かだった。
スペシャルナイトから数日。
サボった罪悪感を抱きながらも、登校した翌日は案外何事もなかった。
当然のごとく担任に理由を聞かされたが、適当に仮病を使ったらそれで納得された。
それなりに勇気を出して学校を飛び出したのに、何だか虚しくなった。
どうせなら、このまま常習犯になってしまおうかとすら考える。