夜空にランプ
結局見つからず諦め、空き教室を最後にしてクラスに戻ることにした。
廊下で有紗とすれ違った。
何だか焦っているように走っていた。
お互い見向きもしないままだったけど。
物を隠された不快感と、これから何が待ち受けているかわからない恐怖感は、めまいをさせるほど気分が悪い。
(まさか、元に戻されてる…わけないか)
そう思いながらもひょこっと、机を覗いた。
「え?ウソ…」
信じられない。まさかなことは本当に起きた。
あの三冊全部、机の中に綺麗に納まっていたのだ。
(何で?普通によかったけど、でも何かおかしい!)