夜空にランプ
抱いた疑問はさらに深くなった。
さっき教室で一瞬だけ見た有紗は、五十嵐さん達とはまるで関係ないような素振りだった。
(だったら…本当は…、)
次に浮かぶであろう言葉は単なる私の願望だ。
理想、夢。
現実は違う。
軽く頭を振ってすぐもみ消した。
――――週末。
写真部の撮影会の場所は、都内に最近出来たばかりだというテーマパーク内に隣接された、展望台。
テレビでもあちこちで特集され、平日でも賑わいを見せるが、休日は特に都内外から集まり、相当な混雑だ。
芽衣子がいない撮影会も、今回が初めてだった。