夜空にランプ
むちゃぶりシチュエーションもできない。
しかも心細い。
いくらラフな部活であっても。
「この階から移動するなよー、集合時間までにはちゃんと集まるように。いいな」
男子部員は先生の声の後、颯爽と窓の方へ駆けていくと、黒山の人だかりに紛れ込み、もうわからなくなった。
玉城先輩もわっこ先輩も気づいたら、姿が見えなくなっていた。
(あ~あ、もういいや)
人混みをなんとか掻き分け進み、人が少ない隅の方へと向かうことにした。
雑音が遠くなり狭いその場所からも、都内を広々と見渡せる。
(みんな小さく見える…。あの中で住んでるんだよね)
首が痛くなる程見上げる高層ビルでさえ、ここではミニチュアサイズにしてしまうのだから、人間なんて本当にちっぽけな存在だ。
なのに、いちいち傷つけて傷つけられて、悩んで、そんな繰り返しで。