夜空にランプ
呆れてしまう。
(大きな窓から空も地上も見渡せる、この窓のような心をみんながみんな持っていたら、悩みなんて持つ必要なくなるのかな、いじめなんて、なくなるのかな…)
何枚か窓からの景色を写真に収めた。
芽衣子にも見せるために、携帯電話でも撮った。
太陽などの光線が写真に写る、フレアがきっと入ってしまう。
意図的に入れることもあるが、白く光り、被写体を邪魔してしまうこともあるため位置は重要。
「逆光もいいけど、半逆光使うといいかも」
「わっこ先輩!」
いつの間にか隣にきていたわっこ先輩は、愛用の一眼レフを携え、眩しそうに窓を見上げた。
「半、逆光って何ですか?」
「被写体の斜め後ろ側から光が当たるようにするの。普通の逆光で撮るより写りはいいと思う。この位置で撮ってみて」
「はい」
言われるがまま指示された位置に立ち、カメラを構えた。