夜空にランプ


このままほっとくべきかどうするべきか迷っていると、後ろから席を立つ音がした。


でもまた振り向きたくはなく、そのまま廊下に向かう。

何だか関わってはいけない気がして。

消極的な自分が優位に立つ。



でも、迷う心があるのも事実。

早くここから出たいと思うも、なかなかそうできない自分もいて、彼がやけに気になり、足は途端に遅くなる。



「あのさー、どこ行けばいいの?」


「へぇ?」


廊下に出た瞬間、ドアからひょこっと顔を覗かせながら聞いてきた。


「り、理科室」


「おー、わかった」




< 29 / 489 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop