夜空にランプ
すうっと肩の荷が軽くなるのを感じた。
じんわりじんわりと、ほっこりしてくる温もり。
私も誰かに与えられる存在になれるのだろうか、そんなことをふと思った。
アトリエに行くと、塚田君は作品作りに熱中していた。
「少し、見てていい?」
「いいよ」
前髪をちょんまげにして、見つめる瞳はすごく真剣という彼の製作スタイル。
一見滑稽に見える姿だけれど、纏う雰囲気は職人だ。
一度製作に没頭すると、絶対に気が散らないという精神らしい。
ここで漂う木の温もりやリネンの匂いは、店内とはまた違うけれど、とてもお気に入りの場所だ。
だから会話がなくても、時間を忘れるほどゆっくりできる。
細く長い指先で細かな作業をじっと続けていた彼は、ふと手を休めた。